SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE

トレーナーに依存しないほうが良い理由

ストレングスコーチにしろ、パーソナルトレーナーにしろ、言わずもがなお客さんありきの職業です。
特に自分で店舗経営をしていたり、フリーランスで活動している人にとっては尚更。
だから、お客さんには出来るだけ長く来て欲しいと思っている同業者は多いと思います。
そのため、パーソナルトレーニングジムなどの施設にとってお客さんの継続率はとても重要な意味をなし、お客さんが出来るだけ継続してくれるようなシステムを構築しようとするのが普通です。
これは全然悪い事でもなく、そのサービスがしっかりしたものであれば、継続しやすいシステムを構築することはお客さんにとっても、トレーナーにとっても良い事で、winwinの関係性が成り立ちます。

しかしながら、個人的には基本的にお客さんはトレーナーや1つの場所に依存するべきではないですし、トレーナーもお客さんを依存させるべきではないと思っています。
(依存とは何を指すかと言いますと、そのトレーナーと一緒じゃないと全くトレーニング出来ない、又はしないということです。)

こう思う理由はいくつかありますが、1つはトレーニングや運動をライフワークにするにはそのマインドでは厳しいからです。

例えば、吉岡としかトレーニング出来ない・しない方にとって以下のような事が起こった場合、その方はどうするでしょうか?

・吉岡が遠くに移転しやがった
・吉岡がトレーナーやめるとか言い出した
・吉岡が事故っちまった
・吉岡が病気になっちゃったよ
・吉岡が忙しく、予約が全然とれねぇ
・吉岡値上げハンパねぇって
・吉岡が大学院いくとかほざいている
・吉岡が海外行ったきり戻ってきやしねぇ

かなり可能性が低いものもありますが、何かしらの理由でトレーニングの担当者が変わったりと言うのは良くある話ではないでしょうか?
そんなとき、そのトレーナーに全てを任せていた人は、きっと
・トレーニングをやめる
・違うトレーナーを探し1からやりはじめる
という選択になるかと考えられますが、せっかく積み上げてきたトレーニングをやめるのは勿体ないですし、違うトレーナーを探すのも二度手間ですし、良いトレーナーに出会えるかも不明です。

何かしらの理由で僕がトレーニング指導ができなくなったり、又はお客さん側の都合(引越しや転勤など)でトレーニングが出来なくなった場合に、トレーニング自体をやめたりするような選択肢しか残らないようなお客さんばかりにしたくないと思っています。

しかし、トレーナーが指導対象者にトレーニングのやり方を1つも教えず、指導対象者もトレーナーに言われるがまま何も考えずに淡々と作業のようなトレーニングをこなすような、
一緒に作り上げていくようなパーソナルトレーニングではなく、トレーナー本意の
トレーナー100:指導対象者0
の関係性のままのトレーニングセッションでは、いざ上記にあげたような事が起こっても前向きな選択肢は残りません。

トレーナー100:指導対象者0
のままではなく、トレーニングに慣れてきたら
指導対象者自身に重量設定をしてもらったり、自主トレをしてもらったりすることで
トレーナー70:指導対象者30
くらいの割合でトレーニングセッションを一緒に作り上げていければ、いざという時にも「自分でやればいっか。」というような前向きな選択肢が増えるはずです。

そうなる為には、指導対象者が自分自身で考えることをやめてはいけませんし、そうさせるようなトレーニング指導をしてはいけません。
してはいけません....というより僕はしたくありません。

最初はもちろん、100:0で良いと思います。
トレーニングする事自体で頭いっぱいだと思いますし、僕自身もしばらくはトレーニングってどういうものがどういう身体的な変化をしていくのかを実感して欲しいので、最初からしばらくは本当にすべてを任せていただければ良いと思っています。

少しずつトレーニングに慣れてきたなというところから、トレーニングのやり方を教えていきます。
そうすることで、最初は100:0だった比重が70:30になり、50:50になり......
という感じで、少しずつ指導対象者主体のトレーニングになっていけばいいと思っています。
トレーニングプログラムを自分で作ったりというところまでは現実的ではないので100:0が0:100には流石にならないかもしれませんが、限りなくそれに近づいていければいいですよね。
それが、SHONAN TRAINING DEPT.のポリシーです。

重要なことはトレーナーに依存する事ではなく、トレーニングに対する知識や方法を自分で理解することです。
それが、これから長く続くであろうフィットネスライフをより有意義なものにしてくれると確信しています。


前職のとき、こういう話を聞きました。
キング・カズこと三浦知良選手は外食する度に担当の栄養士さんに電話をし、何を食べれば良いのか聞いていたそうです。
しかしそれでは栄養士さんも大変ですし、カズさんの為にもならないという事で、あるときから外食にいった際にメニューを全て言ってもらいそこから自分で選んでもらうようにしたということです。
そうすると徐々に電話が減ったという話です。

まさにこういう事です。
知識をつけてもらい、自分で考えてもらう事。
筋力をつけたいという方に対して、筋力をつけてあげるだけではなく筋力をつける方法も一緒に教えてあげたいんです。
このジムを続けて欲しいのではなく、トレーニングを続けて欲しいんです。
「吉岡さんとじゃないとトレーニングしません。」も嬉しいような気もしますが、「あの時、吉岡さんにトレーニング教えてもらえてよかったです。」と言ってもらいたいです。

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しかし、このマインドは売上が全然安定しないんですよね。
トレーナーやめよかな。笑










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