SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE

トレーニングに関するトレードオフとオン

私が最初に開業をしてからおよそ7年が経っています。
この7年の間にたくさんのトレーニング指導に対するお問い合わせをいただきました。
本当に感謝です。

お問い合わせをいただいた方の中にはスムーズに体験を経てトレーニングを開始される方もいれば、何度か体験の日程のやり取りをしながらも予定が合わずに連絡が来なくなるパターンもあります。
そして、7年もやっていれば何故だかどっちのパターンになるかが何となくわかってきます。

なぜそうなるのか理由はさておき、連絡をしなくなる方にとって問い合わせをした時点でのトレーニングに対する優先順位が低いのかなと思います。(予約方法が現在メールでのやり取り限定で、予約がしづらいというのもあると思います....)
もちろん、トレーニングに対する優先順位を生活の中でも上の方に持ってこなければいけない!というわけではありません。
アスリートではない一般の方であれば尚更。

しかし、トレーニングを始める際(トレーニングに限った事ではなく、新しく何かを始めるのであれば何でも)新たにそこに時間や労力をかけなければいけないことに間違いはありません。
時間も労力も有限である以上そこはトレードオフなんです。
(トレードオフ:日本語でいうところの、あちらを立てればこちらが立たず)
トレーニングを始める前と始めてからでは、まったく同じ生活習慣にはなり得ません。
それまで他の事に費やしていた時間をトレーニングに費やさなければいけなくなります。
一般の方であれば、リラックスしている時間かもしれないし、仕事の時間かもしれない、アスリートであればその他の練習時間を少し削らなければいけないかもしれないし、時としてオフの時間かもしれません。
いづれにせよ、時間や労力という部分には絶対にトレードオフの関係性が成り立ちます。

ここを理解せずにトレーニングを始めたとしても、トレーニングを始めた事でいままでやっていた事がこなせずにストレスがたまるか、トレーニングの時間をほとんどとれずにトレーニングの効果を得られないかのどちらかの結果になり結局トレーニングは続かないでしょう。

なのでトレーニングを始める前提として、また意味のあるトレーニングを続ける為にもまずは他の事に費やす時間や労力とのトレードオフの関係性が成り立つ事を理解する必要があります。
今の生活習慣や練習サイクルを崩せないのであれば、当然トレーニングはそこに入り込む余地はありません。
決められた時間を予約する必要があるパーソナルトレーニングでは尚更です。

しかし、逆にトレーニングを始める事で絶対にトレードオフの関係性が成り立ってはいけないものがあります。
それは、
身体や身体能力の状態
です。
トレーニングを新たに取り入れる事で時間もとられますし、当然体力も使うので疲労も蓄積します。
トレーニングを行う事で疲労が蓄積し、健康な身体が損なわれてしまうような関係性。
それは絶対に成り立ってはいけません。
(厳密に言うと、疲労を感じなくする事は無理なので一旦はそう言う関係性が成り立ちながらも、そのままでは終わらせない。)
そうならない為に、確かなトレーニング方法や指導、食事・栄養や睡眠の見直しといったところまでアプローチすることでトレードオフでななく、トレーニングをすることでより良い状態の身体や身体能力を手に入れていけるようなトレードオンの関係性を構築する必要がありますし、トレーニングをする意味はそこです。
そしてその関係性が成り立てばトレーニングの継続にも繋がってくるはずです。

トレーニングを始める際には確実にいくつかのトレードオフが成り立ち、今までの習慣を変える事なしにはまともなトレーニングは始められないし、続けられない事をご理解いただいた上でトレーニングを取り入れるかどうかを決めるべきだと思います。
そう言うと何かすごい犠牲をはらうような感じになってしまいますが、何か新しい事を始めるときは毎回そうですよね。
本当にトレーニングが必要だと感じたのでしたら、又は気にかかるようでしたらお気軽にお問い合わせ下さい。
しっかりトレードオンの関係性を構築出来るようにもっていきます。

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今回、トレードオフやオンといった自分ではあまり使い慣れてない表現をつかってブログを書いたのですが、その理由は為末さんの「諦める力」
という著書を読んだからです。
その中にはトレードオフという表現が良く出てきたので何となく使ってみたくなったのもありますが、トレーニングに関するトレードオフとオンの部分を自分でまとめてみたかったからというのもあります。

著書の感想等は省きますが、冒頭の「諦める」という言葉の語源を知って、大して学のない私からしたら驚きでした。
為末さんの主観満載の本ですが、とても得るものが多くおもしろかったです。


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