SHONAN TRAINING DEPT. MAGAZINE

Strength&Conditioningとの最初の出会い


先日、Magazineのカテゴリを別けた際にStrength&Conditioningというカテゴリを作りました。
一般の方にはもちろん、アスリートにとってもまだあまり馴染みのない言葉かもしれません。

Strength&Conditioningとは何なのでしょうか?
National Strength&Conditioning Association Japan(NSCA)によれば、
Strengthは単に筋力だけではなく、神経-筋系全体の能力
Conditioningはスポーツパフォーマンスを高める為の様々な体力要素を総合的に調整すること
としています。(簡略化しています。)

つまり、どういうことかというと、
Strength&Conditioningという概念はアスリートのパフォーマンスアップの為のものであり、アスリートの味方というわけです。
一口にウェイトトレーニングといっても、ボディビルダーの為のトレーニングやボディメイクを目的としているトレーニングがあるようにアスリートがパフォーマンスアップの為に行うトレーニングもあり、それがStrength&Conditioningというわけです。
そして、そのようなトレーニングを教える職業をしている人の事をS&Cコーチと呼んだりします。
もちろん同じトレーニングの話なので、色々重なり合う部分もありますが細かく見ていくと違いますし、何よりも目的が違うというのが重要なところです。

そんなS&Cと僕自身との初めて?の出会いのことを今回は書きます。

当時、僕は大学2年生か3年生でトレーナーを目指しておりました。
トレーナーといっても当時はよくわかっておらず、
大枠で見て、トレーニングを教えるトレーナーはS&Cコーチと言い、ケガをしたときの対処やリハビリを主に担当するトレーナーのことをアスレチックトレーナー(AT)と言う。くらいのことしかわかっていない状態だったと思います。

それならトレーニングを教えるほうになりたいなぁという漠然とした思いでいたのですが、そのうち先程もでてきたNSCAという団体と関係のあるウイダートレーニングラボというジムがある事を知ります。

そこは多くのアスリートをサポートしており、トレーニングを教える職業を目指すのならば知っておかなければならないジムだなと思い、インターンを受けることにしました。
その当時、大学の同期が一足早くそこでのインターンを受けていた事もあり割合スムーズにインターンとして受け入れてもらう事が出来ました。

インターンとしての最初の仕事?は自分のトレーニングから始まりました。
早番?のスタッフは朝きてまず自分のトレーニングを実施して、そのあとジム営業開始の為の掃除に入ります。
掃除機を全体にかけ、たくさんあるバーベルを拭くことが主な掃除内容です。
けっこうこれが大変だった覚えがあります.....
当時のヘッドコーチに、掃除がまともに出来ねぇ奴はトレーニング指導だってまともにできねぇよ。みたいなことを言われたのは今でも印象に残っています。押忍。

その後はアスリート等のお客さんがいらっしゃるので、先輩コーチのトレーニング指導の見学をしたり先輩コーチの時間が空いていれば色んな研修をしていただけるというような流れでした。

ある日、いつものように自分のトレーニングでベンチプレスをやっていたときの事です。
その時の僕のベンチプレスを見て先輩コーチが、こう言いました。

「ベンチプレスって別に大胸筋(胸の筋肉)を大きくする為にやっているわけではないからね。」
おそらく、当時の僕のベンチプレスのフォームがボディビルダーよりのフォームになっていたんだと思います。
詳細は覚えていませんが...

今ではそういわれた理由もわかりますし、なんのためにベンチプレスをやるのかもわかります。
(ただ、ベンチプレスは大胸筋を鍛える為にやるのは間違いではないんですけどね.....笑)
しかし、その当時の僕は頭の中が???????????????だらけで、全く言っている意味がわかりませんでした。
衝撃です。
じゃあなんでベンチプレスやるんだぁぁぁぁあああ!!!!!!!!という感じです。

でも振り返って考えてみると、そのときこそが僕とS&Cという概念との出会いだったような気がします。
少なくとも、一番記憶に残っています。

アスリートにとって、どこかの筋肉を鍛える事はその先にある何かを達成する為の手段なのであって、目的ではないという事です。
しかし、ボディビルダーからしてみれば大胸筋を鍛えるため、大きくする為にベンチプレスをやるので、それが目的なのです。
少し難しいですが、こういう風にトレーニングの目的が変われば、概念も変わり、トレーニング方法も変わるのです。

たまにアスリートでウェイトトレーニングをしたら身体がでかくなって、動きづらくなったからトレーニングは必要ない、という用な事を言っていたりしますが、そうなった原因や問題はウェイトトレーニング自体ではなく上記のものだと思います。

その当時から色んな事を学んだとは言え、この先もまだまだ色んな勉強も経験もたくさんしていく必要がありますが、今回はちょっと昔の事をふと思い出したので書いてみました。

ちなみに、このStrength&Conditioningという概念はアスリートだけではなく一般の方の健康の為にもものすごく役に立ちます。
アスリートが行っているトレーニングプログラムを一般の方が行う必要は個人的にないと考えていますが、アスリートの体力要素を向上させる為の概念は一般の方の体力要素を向上させることにも直接的に通じます。

少し難しい表現の仕方が多くなってしまい恐縮ですが、トレーニングにも色々ある事やその中の1つでありStrength&Conditioningというものの存在を少しでもわかっていただければ嬉しく思います。


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GWということで、5月の最初は少しお休みにしようかと企んでいます。
いやいや、休ませねぇよぉ?という方はバンバンご予約下さい。笑


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