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「戦わずして勝つ」思考

三戸政和著
「営業はいらない」


本書は、基本的に営業職をされている方に対してのこれからの戦い方や考え方について書かれたものです。
私自身は営業職というわけではありませんが、ワンオペで店舗を開いている以上は営業の専門職ではないにしても大いに関係してきますし、営業の分野に関するこれからの時代の動向を知らないわけにもいきません。

そんなわけで、わかりやすい題名にも引かれて読んでみたのですが、とても参考になりましたので今回はこの書籍について個人的な感想をまとめてみます。

お決まりのように、詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、本書を読んで一番印象に残った表現が、
「戦わずして勝つ」
というものでした。

昨今でも話題になった営業マンのノルマと不祥事のような問題は何故起きるのかということを考えた時に、「日本の営業実態調査2019」はノルマを達成できなかった理由の第一位を「営業戦略が悪かった」であるとしています。
しかし、本書では根本的な原因は「営業戦略」ではなく、それ以前の「経営戦略」にあると書いています。

戦略、「戦いを略す」つまり戦わずして勝つ策略を経営陣(営業を動かす大本である指令本部)がしっかりと考えていれば、営業マンに無理なノルマは必要なくなり、むしろ営業そのものが必要でなくなるということです。

ずっと続いてきた大量生産・大量消費の時代の名残で、本当に必要なところ意外にも商品を無理矢理すすめなければいけないような営業は現代において無理があり、時代遅れのビジネスモデルを続けようとする経営のしわよせが営業にきているような企業は、インターネットをうまく活用し大きく経費を削減できるような新しいビジネスモデルの企業に今後勝てないとしています。

本当にそうだよなぁ〜
という感じでした。
こういうふうに書いてある事を読んでいると至極当然だと理解できるのですが、ふと自分のことと置き換えると自分はちゃんと出来ているのか疑問に思います。
当然、私は個人経営で営業マンをたくさん抱えているわけでも、必要のないところにアプローチしているわけでもないので、状況は全く異なりますが、自分がいいと思っているコンセプトや料金・体験等のシステムに関する事も実際のところお客さん側にとって的を得たものなのかどうかは甚だ疑問が残るところです。
(とは言え、開業してもう少しで8年になるので、全くの的外れではないのだろうけど...)

また、本書では戦略を立てる際に「プロダクトアウト型」がいいのか、または「マーケットイン型」がいいのかについても書かれています。
結論からすると、どちらにするべきという二元論ではなく、その2つをうまくつなぐことができる感動体験を生み出すような「エクスペリエンス思考」がバルミューダ、テスラモーター、スターバックス、アップルなどの企業を例にだしながら必要だとしています。
ただ、この辺においても私の文章力では短くわかりやすく書くのは不可能ですので、気になる方は本書を読んで下さい。

個人的な印象からすると、真っ当なトレーニング指導者を含め、職人器質がでるような職業の人たちは、顧客の意見やニーズをとりいれてサービスを生むような「マーケットイン型」というよりかは、自分が作れるものや提供できるものを優先してサービスをする「プロダクトアウト型」が多いような気がしています。

しかし、ずっと「プロダクトアウト型」でやってきたような伝統工芸品をつくるような職人さんでも、しだいに生き残るのが厳しくなっているところを時代に合わせたちょっとしたアレンジで爆発的に売上があがったというのも良く耳にすることもあるので、どの分野においてもずっと「プロダクトアウト型」でやっていくのは難しいのかもしれません。

トレーニングに関しても、多くの方がよくわかっていなかったり、誤った情報で満たされていたりするものなので、そういった状況において顧客のニーズを中心にサービスは組めないというのが現状だと思います。(※顧客のニーズを一切聞かないという事ではありません。)
また、ニーズに合わせて無理矢理都合のいいことを羅列するような人やサービスほど、派手にメディアで取り上げられ世間に広く知れ渡ってしまうような事も少なくありません。

考えれば考えるほど、この業界は難しいです。
完全な「プロダクトアウト型」で真摯に仕事と顧客に向き合いながらやっていたとしても、残念ながら多くの人に影響力を与える事は難しい事が予想され、この先ごく一部の人たちにしか必要とされなくなってしまうかもしれませんし、顧客の意見を参考にするにも人体に関わる分野では限界があります。

それでは、その2つを繋げる事ができるエクスペリエンス思考とは、この業界・分野にとってはどういうものになるのか?
トレーニングを通した感動体験とは一体どんなものなるのか?

それについては簡単に答えは出ませんが、一つ言える事はやはり目的の達成です。
目的が達成された時に感動しない人はいないでしょうから。
しかし、トレーニングにおける目的の達成という他の分野と違って時間のかかる感動体験の他にも、何かしらあるような気はしています。

いずれにしても、本書のおかげで普段あまり考えないことについて色々思考を巡らす事が出来ました。
これからの時代は人々にとって本当に必要なものだけが残っていき、不必要なものや古いビジネスモデルはどんどん淘汰されていくことが容易に想像できます。

「戦わずして勝つ」為に、自分に何が出来て、顧客は何を求めているのか、その両方を見落とす事なく考え続けていく必要があると認識しました。
本書では、結論、営業マンは経営者になることをすすめています。
ということは、やはり本書は営業マンだけではなく経営者や私のように個人で活動している人にとって読んでおいて損はないものだったようです。

個人で活動するトレーニング指導者は、専門分野であるトレーニングに関する知識や経験をアップデートするだけではなく、時代の動向をみながら自分が提供しているサービスに関する事も同時にアップデートしていかなければいけません。
しかし、後者に関してはどうしても後回しになってしまいやすいです。
また、考えようとしても専門分野の業界内だけを参考にしてしまいやすいという特徴もあります。
業界の事はもちろん把握しておく必要はありますが、業界外の動向に関してもアンテナをはっておくことで何か参考になる事があるかもしれないという事も今回の読書で認識できてよかったです。


今回は(も?)、頭が整理できていない状態で書いたので、ちょっと何言ってるかわかんないっす。ってなっている人がいましたらすみません。
是非、本書を読んでみて自分なりにまとめてみてください。


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25歳のときに開業して、そろそろ8年。
2年ほど前から「個商い」から、自分に足りないところをサポートしてくれるような人達と少数チームを組んで「小商い」にステップアップしたいなと考えています。
しかし、今はこのコロナ禍を生き抜くのに精一杯ですが...

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