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学術論文を読むときのGoogle翻訳との距離感

S&Cコーチやパーソナルトレーナーといったトレーニングを教える職業としては科学的な根拠や客観的事実、様々な事を判断する上での情報を知る上で学術論文を読み、理解するというスキルはとても重要なものの一つです。

とは言っても、大学院で自分でも研究しながら論文に触れる機会が多かったり、英語が得意だったりするわけではない人にとって英語の論文を読み、理解する事は簡単なことではありません。
(私自身もそれが得意なわけではなく、今でも苦労しながら読んでいます....)
そんな人たちにとってとても力強い味方になってくれるのが翻訳機能です。
最近、あちこちでGoogle翻訳の性能が良い!というのを耳にします。

英語が苦手な人たちにとっては翻訳機能が優れていれば、苦労して自分で訳す必要もなく論文そのままGoogle翻訳につっこんで訳してもらえば簡単に理解する事ができるので、もう願ったり叶ったりです。

実際のところ、どうなんだろうと思い最近試してみたのですが、確かに予想以上にしっかり翻訳されていました。
少し前までは、翻訳してみても文章としておかしかったり、よくわからないような結果になっていたようなイメージだったのですが、そんなことはなくしっかり文章としても成り立っており抵抗なく頭に入ってきます。

しかし、よく見てみるとやはり不十分なところがあり、丸投げはお薦めできません。
不十分な点としては、単語の訳し方・捉え方です。
専門分野にはその専門分野特有の訳し方があるはずです。
例えば、良く出てくる単語である
Strength
は、普通に調べると
強さ・力
などと出てきますが、基本的にはそう訳す事はなく
筋力
と捉える事が多いです。
また、
トレーニング指導者であれば、誰もが知っている
Concentric phase
Eccentric phase
というのも、Google翻訳してみると
同心相
偏心相
というふうに訳され、日本語になったところでわからないような単語になってしまいます。

しかし、その一方でその他の文法などに関してはおそらくしっかりクリアできているので使い方によってはとても助かります。
あくまでも私の場合ですが、苦労する箇所は単語というよりも、
この文章、どこまでが主語なんだろ?
このandどこのことまで言っているんだ?
このwhich何?
というような事が多く、出来上がった文章を読んでみても?になる事があります。
中にはかなり長い文章もあったりするので、頭がこんがらがります。心底ピリオド早く来い。ってよく思っています

なので、そういう文章にであった時にGoogle翻訳はかなり助かります。
訳していく順番や、訳し方のわからない前置詞なども確認できます。
つまり、現段階ではGoogle翻訳は丸投げするものではなく、スポットで活用するのがいいと思っています。

丸投げしたところで、先程例に挙げたようなわけのわからない翻訳をされてもどの単語がそうなっているのか探さなきゃいけないですし、結局二度手間です。

またこんなことも言われています。



なので、結局はコツコツ訳していったほうが結果良さそうですね。
少なくても今のところは。
これから、ますますGoogle翻訳が改良されてくれば、いつかは丸投げでも全く問題ないくらいのものができるかもしれないですね。
しかし、読む人は何があっても読むだろうし、読まない人は何があっても結局読まないんだろうなぁともちょっと思っています。

個人的には、Google翻訳はこれからもスポットで活用していこうと思っています。
8割型自分で訳せていてもあとの2割訳し方がわからない為に文章がまとまらないようなときにGoogle翻訳はすっときれいな文章を出してくれる事が多いです。
遠すぎず、近すぎず、そんな距離感で活用し論文読解のスピードと理解度を上げていこうと思います。


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最近、同じ時間に起きる事の重要性をヒシヒシと感じています。
朝のインプット時間を少しずつ増やして行く所存であります。

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