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トレーニングにおける「苦手」考察

スポーツや学校の授業なんかでもそれなりにやっていくと、自分が得意なことと苦手なことってはっきりしてきますよね。
野球は得意だけど、なんかサッカーは苦手。
数学は得意だけど日本史は苦手。みたいな感じで。
もうちょっと掘り下げると、サッカーのこの練習の時やこういう局面のときは自信があるんだけど、こういうのは苦手。
数学のこの分野は得意だけど、この分野はもうちんぷんかんぷん、というふうに何でもある程度続けてやっていれば大体のものは得意なことと苦手なことに分けられると思います。

それはトレーニングでも例外なく同じで、ある程度続けていれば得意な種目と苦手な種目に分けられてくるはずです。
スクワットは得意だけど、デッドリフトは苦手という感じで。

得意なことはいいとして、苦手な種目について今回はちょっと掘り下げてみようと思います。
トレーニングに関して何か苦手な種目があったとして、その苦手となってしまっている理由は考えたことがありますか?
苦手ということに対してそれをひとくくりにしてしまうと、改善までのアプローチ方法を間違えたり、余計なストレスを抱えたりしてしまう可能性もあります。
苦手となってしまっている原因を探ることでトレーニングの質も上がるかもしれません。

苦手となる原因はいろいろあると思うのですが、トレーニングの場合主な原因は以下の三つかなと思っています。
①圧倒的に量が足りていない
②アプローチ方法を誤っている
③身体的特徴


①圧倒的に量が足りていない
トレーニングのやり始めや、新しい種目を取り入れたときなど思ったようにできなくて苦手意識を抱きやすい場合もありますが、大抵の場合はただ単にやりこむ量が足りていないだけのことも考えられます。
得意なことは、わりかしすぐにいい感覚を掴めたりしてわかりやすいものかもしれませんが、苦手なものはそれなりに量をこなしていかないと判断がつかないのではないかと個人的には思っています。
十分な量をこなす前から、苦手と決めつけてしまってはもったいないですよね。
まずはしっかりやりこみましょう。

②アプローチ方法を間違っている
これはトレーニングをしている上では一番防ぎたいことの一つです。
そしてトレーニング指導者としての腕の見せ所の一つでもありますし、問題解決に向けて適切に導くことこそが何かを教える立場にある人の存在意義でもあるかと思っています。

頑張って取り組んでいてはいても改善点を見誤っていたり、やろうとしていることが的外れなことをしていては本来苦手ではないかもしれないのに無駄に苦手意識がついてしまいトレーニングの質をおとしてしまう可能性もあります。

例えを出すのであれば、
デッドリフトの時に腰が丸まってしまうのは体幹が弱いと認識し、腰や腹筋を鍛える。
スクワットで膝が痛くなるのは大腿四頭筋が弱いからだと思い、大腿四頭筋をさらに鍛える。
などがあげられます。
こういうところを修正したい!こういうところがよくない原因だ!と思っていることに対してのアプローチ方法が的を得ていなければ修正し改善されるわけもなく、それゆえにどんどん苦手意識がついて行く可能性が高いです。

実際ちゃんとしたアプローチさえできれば、無駄な苦手意識がなくなりトレーニングの質がグングン上がる人も多いのではないでしょうか?
特に、スクワットやデッドリフトといった複合的な種目では、動作を細分化してみることも重要です。
それでどんどん紐解いていくと、あぁここがまずできていないんだよね。ということが起こります。
そうわかったときに、ココでも書いたようにもっと遡って基礎からやることで大幅に改善する場合もあります。

複雑なものほど、段階があってそれを一つずつクリアしていって最終的にその複雑な動作が獲得できます。
デッドリフトやスクワットができない人がいれば、デッドリフトやスクワットを教えるのではなくそれらを細分化し、どの部分でつまずいているのか原因がわかるまで遡り、根本の部分を的確に教えられるほうがより良い指導者だと思いますし、そうありたいと思っています。


③身体的特徴
これに関しては多少諦めることも必要です。
ウエイトトレーニングはそれ自体や実施する種目において有利・不利がはっきりとでます。
例えば、
・身長の高い人
・手脚の長い人
は基本的に不利ですし、絶対的な身長の高さや手脚の長さがなくても胴体に対しての大腿部の長さなどその比率によって有利・不利に働き、結果として得意・苦手を感じることもあります。
またそういう物理的な要因の他にも速筋や遅筋の割合などの筋生理学的な要因も時に関係してくるでしょう。

そういった身体的特徴(特に物理的な要因)は成人にとってはもうどうすることもできないがために諦めて受け入れるしかないのですが、とはいっても苦手となっている原因がはっきりしているかどうかというのはとても重要だと思っています。

①や②の条件にあてはまらないように、しっかりトレーニングしているしアプローチ方法も間違っていない、なのになかなか他の人と比べて伸びていかない、明らかに自分は多くの体力をもっていかれているとなったときに「身体的特徴」が原因というのであれば腑に落ちますし、そういうもんだと思いながらやっていけば余計なストレスから回避でき、しっかり自分の身体と向き合う心構えもできるはずです。
(もちろん、身体的特徴から自分には不利な種目だからといってやらなくていいわけではありません。それを理解した上で必要であれば実施していくことが重要です。苦手はやらなくていいという理由にはなりませんしね...)
そして、あくまでも有利・不利なだけで、身長が高く手足も長いのにウェイトリフティングで活躍しているアスリートもいます。
甘えてばかりいられませんよね。

レベルの高いアスリートほど、得意なものと苦手なものの差が激しいことも考えられます。
それがさらなるパフォーマンス向上の制限因子になっていたり、傷害の原因になっていたりする可能性もあるので、苦手なものに時間を割くことが多くなるかもしれません。
しかし、そのときに苦手となっている原因がわかっているのとわかっていなのとでは気持ち的に大きな差があるんじゃないかなってことです。


以上、よくありそうな苦手の原因を三つあげました。
簡単にまとめると、
トレーニング初心者であれば、苦手だと判断する前に
まずは継続しそれなりの量をこなすことです。
そして、その中で問題に対しての適切なアプローチ方法をみつけることで苦手ではなくなるかもしれませんし、苦手に変わりないとしてもそこまでストレスを感じることなくトレーニングすることが可能になるかもしれません。
①や②に当てはまらなければ、それは身体的特徴が原因かもしれませんので、そうであればそれを理解した上でむきあっていければいいと思います。
自分だけ何か特殊な原因があって、センスがないなどと落ち込む必要はありません。
トレーニングは他者と競うことでやる気が上がったり得られるものもあるかもしれませんが、基本的には自分との戦いですので、ゆっくりでも確実に自分のなかでの成長がみられればOKです!


苦手を感じるにはまだ早いかもしれません。
苦手に変わりないとしても、付き合い方次第で余計なストレスを感じる必要もなくなります。
そんな内容のブログでした。
苦手なことや嫌いなことでも、なぜそうなっているのかを考え、分析していくことは大事ですよね。
何かの参考になれば幸いです。

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マジ苦手!!マジ嫌い!!!
でもやるぅぅぅぅぅぅ!!!!
やられたらぁぁやりかえすぅぅぅ!!!














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