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リストストラップは必要か?

今回はトレーニング時、特に高重量を扱う際に良く用いられるリストストラップ(バーが滑り落ちないように手首とバーを括り付けるものです)は必要なのかどうかについて個人的に思うことを書いていきます。

リストストラップは必要か?
結論からすると、

必要

だと思います。
当然と言えば当然ですよね。

ただし、その人にとってかなりの高重量を扱う場合で且つ、その際に握力が制限因子になっている場合です。

必要なんですが、アスリートの場合はできるだけ使いたくないです。
とくに握力が絡んでくる以下のようなアスリート。
・バスケットボール選手
・野球選手
・テニス選手
・サッカーのキーパーやロングスローを投げる選手
・ボート、カヌー競技の選手
などなど

なぜなら、上記のような選手にとって「握力」の筋力も必要だからです。
例えば陸上の短距離や長距離の選手であれば、そこまで無理して自分の握力でトレーニングを続ける必要はないかもしれません。
しかしながら、どうせ同じ時間トレーニングをするのであれば鍛えられる部位は出来るだけ鍛えたほうが効率的です。

ここで、良く言われるようなこととして
「リストストラップを使用すれば、使用しない時よりも重い重量が扱えるんだから、握力のせいで他の筋肉を限界まで追い込めないのはもったいない」
という意見です。

えぇ、えぇ、その通りです。
だからこそ、さきほど握力が制限因子になってしまっている場合はリストストラップを使用することは必要だと書きました。

でも、この「握力が制限因子になっている場合」
というのはそうそうありません。
もちろん、その方のトレーニングのバックグラウンドにもよると思いますが、
トレーニング初心者が1からトレーニングをはじめた場合は当たり前ですが基本的に他の筋力と並行して握力もついていきます。
そして、握力が厳しくなってきた場合も、リストストラップを使用する前に「グリップを変える」という選択肢があります。

スタンダードな普通の握り方であるオーバーハンドグリップでは対応できなくなってきたら、
親指ごとバーベルと一緒に握るフックグリップに変えればいいですし、それでも対応できなくなったら
片方の手を逆手にして、バーベルが滑り落ちるのを防げるオルタネイトグリップにすればいいのです。

リストストラップを使用する前にこれらのグリップを活用すれば、少なくてもリストストラップを使うよりは握力を鍛え続けられます。
リストストラップを使用すれば、その時点で握力はほぼ使わなくなります。

そして、それらのグリップを活用すれば、先程言ったように「握力が制限因子になる」というのはそうそうなくなるのではないかと思います。
なぜなら、握力よりも先に他の筋群がその重量に対応できなくなるからです。

※この話はあくまでも各トレーニング種目を正しいフォームで実施することを前提に書いています。
腰が丸まろうが、どうなろうが関係なくただただ重いものを挙げたい人は気にせずリストストラップ使って下さい。

先日、自主トレの中で最後の高重量の実施日に、試しにリストストラップを使用してみました。
種目はRDL
重さは142kg
で3reps×3setの3set目の話です。
1と2セット目はオルタネイトグリップで耐えました。

3×3の高重量(自分にとって)なので、やはり背中がもっていかれ少し腰も危ういかなというフォームでした。
RDLでは握力不足により、背中がひらくことがあります。背中がひらくと次は腰も丸まっていきます。
もしそれが起きているならば、リストストラップを使用することで背中がもっていかれるのを少しはふせげるかもしれないという感じで試しにラストの3set目で使ってみたという流れです。

その結果!
3set目のフォームが!

全然変わりませんでした〜

つまり、その142kgという重量を扱うにあたって、握力が制限因子にはなっていなかったということです。
握力の前に背中やハムストリングなどが制限因子になっていたということになります。

もちろん、これは私の経験なだけですが、
基本的にはグリップを変えて多少握力も無理しながらトレーニングを続けていけば、このような感じになることが考えられます。

ですので、握力が関わってくるアスリートはまず極力リストストラップは使用せず、何とかグリップの活用で握力も漏れなく鍛えていきましょう!
そして「握力が制限因子」になったときは躊躇なくリストストラップを使いましょう!

また、握力が関わらないアスリートや一般の方はそこまで気にしませんが、どうせ同じ時間やるなら...って感じです。
硬くてなかなか開かない瓶のふたとかないですか?笑

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昨日はお店を少し早めに閉めて、トレーニングに関するセミナーを受講してきました。
トレーニング指導をしているうちは一生勉強です。
皆さんは気づかないかもしれませんが、常に少しずつさらにいいものを提供できるようになっています!






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