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覚えているからメモする必要ないっていう考えはトレーニングを全く理解していない。

2月に入りましたね。
年が明け一ヶ月経過したこの時期に徐々に運動してみよう、再開しようという方も多いのではないでしょうか?

さて、前回のブログでは
トレーニングには「漸進性過負荷の原則」というものがあり、負荷はその都度変化させていくべきものだから、それを忘れないためにもトレーニングノートにメモしながらトレーニングを実施しましょう
という内容のものを書きました。
→「トレーニングを記録しないのは〇〇を知らないから。

今回の内容もそれに関連したものです。

トレーニングをしている人に対して、
トレーニングノートをつけたほうがいいですよ〜
とアドバイスしたときに、よく返ってくる答えが、
「前回の内容覚えているので大丈夫です。」
というものです。
高校生などの学生のトレーニング指導をする時に良く聞くかもしれません。

「前回の内容覚えているので大丈夫です。」
というこの答えは、
ならいいか。と思ってしまいそうになりますが、実はトレーニングというものをちゃんと理解できていない証拠です。

まず、トレーニングの種目やセット数、重さ等を覚えていたとしても、最終セットやりきったときの身体の感覚まで覚えているでしょうか?
どのくらいのクオリティでそのセットをこなせたのか(RPEやRIR)、
そして、それを元に次回はどれくらいの強度設定で実施しようと思っていたのか?
という詳細な部分はどうでしょうか?

そして更に言うと、
トレーニングは前回の内容"だけ"覚えていては不十分なのです。

トレーニングを真剣に始めるのであれば、まずトレーニングプランをたてます。
目的やトレーニングをする期間を元に、ゴールを設定して逆算的に計画をたてていきます。
最終ゴールはここだから、この時期にはこうなっていたい、これくらいの強度・量を扱えていなければいけない、などというふうに長期的な期間に対していくつかの目的別の短期的な計画をたてることをペリオダイゼーションといったりします。

アスリートであれば、例えばシーズンが終わってから次のシーズンが始まるまで。(またはシーズン中も含め)
一般の方であれば、いついつまでに〇〇kg減らしたい、増やしたいなど...
トレーニングを継続すること自体が目的の方にとっても、間延びさせず、トレーニング刺激を変える為に、期間を設定して様々なトレーニング変数を調整するのはとても重要なことです。

1つのシーズンや期間が終わった後、新しいシーズンが始まるにあたって、前回(前年度)のトレーニング内容を把握しておくことがとても重要です。
それらの情報が一目でわかるからこそ、新しいシーズンに対して新しいアプローチができるようになります。
トレーニングをある程度継続していれば、前回(数日前)の内容だけではなく、数ヶ月前、数年前のトレーニングプログラムを見返したりすることも度々あるはずです。
(去年のこの時期は、これくらいの重さをあつかっているから、今年はこれくらいいきたいね。などなど)
それすらもすべて記憶できる素晴らしい脳があれば、記録する必要はないかもしれませんが、それでも記録したものがあれば、トレーニングの依頼や相談をする際にも手間が省けます。
自分の脳内にしかないものを他人に伝えるのはとても効率がいいとは言えません。

トレーニングの記録は、自分にとってはもちろんのこと、誰かに意見を求める際に、とても有効な「資料」になります。

私の場合も、アスリートでも一般の方でもトレーニングを受け持つ際に、今までやってきたトレーニングがあればそれがどんなものか聞きます。
そして、それは詳しければ詳しいほど参考になります。

以上のことから、トレーニング記録は年をまたいでも見る可能性のあるものなので、めんどくさがらずにしっかり記録していきましょう。
トレーニング記録は、自分が頑張ってきた軌跡であり、そしてその軌跡はとても大事な「資料」にもなります。
1回1回のトレーニングをムダにせず、データを蓄えていきましょう!


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1月の自主トレはのらりくらり週1〜2程度でやってきましたが、2月からはまた少しずつギアを上げていこうと思います!





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